七十二候・葭始生<あしはじめてしょうず>

葭始生

水辺の葦(あし)が芽吹き始める頃の七十二候。

葭は「あし」とも「よし」とも読み、葦同様にイネ科ヨシ属の多年草のことです。「あし」が「悪し」と通じることから「よし」と呼ばれるようになったとも言われています。

日本の古名は「葦原中国(あしはらのなかつくに)」「豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)」。古事記では、高天原と黄泉国の間にある背の高い葦に囲まれた世界のことを指すように、日本と葦は切り離せないほど身近で重要な意味のある植物なのです。

葦は、日本のみならず世界中で人間の暮らしには欠かせない植物でした。
屋根になり楽器になり、船や紙の材料になります。
また、水辺の鳥や生き物の住処ともなり、生態系の維持に欠かせません。

風に逆らわず、ゆらゆらとしなりながらも、とても強い葦。しなやかでありながら芯が強い在り方を目指したいものです。

ジャスミン烏龍茶と薔薇の琥珀糖

ジャスミン・薔薇、香る花

お茶に使われるジャスミンは「茉莉花(まつりか)」と呼ばれるモクセイ科の植物の花です。
蕾を収穫し、一番香りが強くなる開きはじめを待ってお茶に香りを吸着させます。

薔薇の仲間「玫瑰花(まいかいか)」もジャスミン同様強い芳香を持つ花です。

これらの芳香のある花は、お茶として飲むと、気の巡りを司る五臓の肝に入って滞った気を動かしていきます。

人間は「考える葦」だから、ときには考えすぎて行き詰ることも。自分ではどうしようもない怒りや悲しみなど感情のコントロールが難しいときもあります。
そんな時は、香りのお茶で心を緩ませてください。 すっと楽になります。

薬膳メモ

ジャスミン(茉莉花)温/甘辛心脾肝/理気解鬱・安神
バラ・ハマナス(玫瑰花)温/甘苦肝脾/理気解鬱
烏龍茶涼/苦甘肝脾/消食・解毒・鎮静