七十二候・霜止出苗<しもやみてなえいずる>

霜止出苗

もう霜が降りることもなく、稲の苗「早苗」がすくすくと育つ頃の七十二候。

田植えの季節に咲く花を「苗代花」と言うそうです。シャクナゲ、ツツジ、ヤマブキなど鮮やかな花が街中の道路沿いにも咲き誇っています。

先代犬のげんきの介護が始まってから数年は散歩にも出ませんでしたが、今年、また家族になった犬たちを連れて近所の野原や神社裏の森に行くようになりました。

この時期、季節の変化の速さは圧倒的です。
ついこの間まで枯れ木のようだった森に桜やコブシがぽつりぽつりと咲きはじめ、あっという間に緑が繁ってしまいました。地面にはアリの巣がポツポツとあき、虫たちも活発に動いています。
静かに眠っていた森のどこにこの生命力が隠れていたのでしょう。

朝の野原で深呼吸すると、身体のすみずみまで生命力が行き渡るようです。

カモミールミントティーとドライアップル

カモミール

小さな白い花の咲くカモミールはキク科の一年草です。 フランスでは、薬草といえばカモミールというぐらいポピュラーなハーブだそう。

薬膳ではリラックス効果の他に熱を冷ます働きも利用されるカモミール。
同じように、体の熱を冷まして悪いものを吹き飛ばすミントと一緒にお茶にしました。

優しい風味のカモミールは、緑茶や薄荷など味のしっかりしたお茶ともよく合います。

ドライアップル

ほのかにりんごの香りのするカモミールに合わせてりんごのおやつ。

軽くレンジにかけたりんごを、風通しの良い室内で1〜2日干して水分を飛ばすと、ねっちり濃厚なドライアップルができあがります。フレッシュなりんごとは違う新たな美味しさで、ちょっとしたおやつにぴったり。

りんごには体にこもった熱を冷ます働きや、お腹を健やかに保つ働きがあります。

<薬膳メモ>

カモミール(春黄菊)涼/甘辛微苦肝肺脾/清熱解毒・鎮静
ミント(薄荷)涼/辛肝肺/疏散風熱・清利頭目
りんご涼/酸甘脾肺腎肝/健脾・潤肺・清熱