七十二候・土脉潤起<つちのしょううるおいおこる>

つちのしょううるおいおこる

春の雨で、土に潤いが与えられる頃の七十二候。

「脉」とは東洋医学で言う「脈」のことで、気血の通り道やその拍動を指します。
西洋医学では血液の通り道は「血管」ですが、血管を触って拍動や感触から体の状態を見ることを「脈を取る」「脈を診る」と言います。

「土脉潤起」は、人間の脈に見立てた、土の中の細かい隙間が連なった通路に潤いが生じる、という意味で、冬の間堅く凍てついていた土が、春の雨によってふんわりと緩んでくる様子を表しています。

農耕の準備も始まり、本格的な春に向けて自然界が一斉に動き始めます。

潤色(うるみいろ)

赤と黒が基調の漆に茶を混ぜて微妙なニュアンスを作り出した色が「潤色」。
その階調は作り手の加減によって無限の幅がありますが、やや赤みがかった灰色を古来から「うるみいろ」と呼びます。

現代で言うニュアンスカラー、くすみカラーとも共通したオシャレな色です。
潤いのある土や自然素材を感じる配色がよく似合います。

design note

#c8c2be(潤色 うるみいろ)
#383c3c(羊羹色 ようかんいろ)
#9e8b8e(鳩羽鼠 はとばねずみ)
#f8f4e6(象牙色 ぞうげいろ)

源流明朝SB
筑紫新聞明朝
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