七十二候・霜止出苗<しもはじめてやみてなえいずる>

しもはじめてやみてなえいずる

もう霜が降りることもなく、稲の苗「早苗」がすくすくと育つ頃の七十二候。

田植えの季節に田んぼのまわりに咲く花を「田植え花」と言うそうです。
代表的な田植え花は「タニウツギ」。ピンク色の花を咲かせる低木で田んぼの境界の畔に植えたり、この花の咲く時期を目安に田植えをしたことから全国各地で「田植え花」と呼ばれることが多い花です。

この頃のあぜ道は小さな雑草が一面に花をつけ、まさに春らんまん。
名前がわかるだけでも、ハコベやぺんぺん草、シロツメグサの白い花、タニウツギやレンゲにオドリコソウのピンク色、ハルシオンやスミレ、小さいアザミの紫色。
ほかにも名前も知らない花が何十種類と春の光を浴びています。

野に咲く花の名前をひとつひとつ調べながらの野歩きを楽しみたい頃ですね。

白磁(はくじ)と苗色(なえいろ)

シロツメグサの白い花に覆われた野原に、ピンク色や紫色の花が見え隠れするイメージの配色です。
シロツメグサの白は、温かみのあるオフホワイト。緑の葉と茎の色が透けて、緑がかった白です。この色を表すのはやや緑がかった灰色の「白磁」。
中国北宋時代に生まれたと言われる白素地に無色の釉薬をかけた磁器「白磁」の少しだけ青みがかった様子を表す色です。
この色に、撫子色、紫苑色、苗色、と植物の名前をそのまま持つ色を合わせて配色しました。

design note

#f8fbf8(白磁 はくじ)
#b0ca71(苗色 なえいろ)
#eebbcb(撫子色 なでしこいろ)
#867ba9(紫苑色 しおんいろ)

源流明朝SB
筑紫新聞明朝
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