つばきはじめてひらく
二十四節気・立冬のはじめの候、「山茶始開」が始まりました。
11月7日から11日頃がこの季節です。
「山茶始開」は「山の茶の木の花が咲き始めます」という意味。「茶の木」は、葉をお茶として飲む、いわゆるお茶の葉っぱが茂る木です。「茶の木」はツバキ科に属し、椿によく似た白い花を咲かせます。
お茶には紅茶、緑茶、烏龍茶などたくさんの種類がありますが、もととなるお茶の葉はどれも同じ植物だということをご存知でしょうか。
摘み取ったお茶の葉は乾燥や加熱などの加工を経てお茶にします。
この加工の工程で、発酵(酵素反応)を行うか行わないか、発酵の程度、加熱や乾燥の方法などによってまったく異なるお茶ができるのだそうです。
私はお茶が大好きですが、寒くなり乾燥してくるこの時期は、ミルクや豆乳を入れて飲むお茶にホッとします。ミルクティーは紅茶が一般的ですが、烏龍茶やほうじ茶にもとても合うのです。
お茶の中でも発酵の時間の長い紅茶や、半発酵茶と言われる烏龍茶は身体を冷やしません。
また煎茶を炒ったほうじ茶も冬にはいいものです。
何かと気ぜわしい時期ですが、お茶でゆっくりする時間を大切にしたいですね。
「山茶」はさざんかの花
「つばきはじめてひらく」の「つばき」は、ここではさざんか(山茶花)を指しています。
山茶花の花は椿によく似ていますが、花びらが一枚ずつ散るところが椿と異なります。また椿よりも早く咲き始め、色彩が乏しくなった生垣を鮮やかに彩ります。
「さざんか」という言葉の響きが懐かしく感じるのは、「たき火」の歌と一緒によみがえるからでしょうか。
赤や白、ピンクの山茶花の花。葉の緑が濃いのでいっそう鮮やかに見えますね。
今日のパレットは、落ち着いた赤と白の山茶花です。鮮やかなピンクの山茶花というよりは、しっとりした茶の木の花を思い浮かべました。赤茶色は、茶の木の実の色に近いかもしれません。
北風が吹く曲がり角でたき火を見つけたときのような、おいもの匂いが鼻をくすぐるような。
ホッとするパレットになりました。
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源流明朝SB
筑紫新聞明朝
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読んでくれてありがとう!