きりはじめてはなをむすぶ
桐の木が実を結び、また、つぼみをつける頃の七十二候。
5月ごろ高い木のてっぺんに薄紫色の花を咲かせる桐の木は、鳳凰の止まる木として平安貴族に愛され(中国の伝説による梧桐はアオギリ)、500円玉のデザインにも使われるなど日本の伝統的なシンボルに多く見られます。
桐の木は今頃の季節に実をつけますが、ほぼ同時に来年の春に咲く花のつぼみもつけます。柔らかい毛に覆われたつばみは夏を越え、厳しい冬を越えて花を咲かせるのだそうです。
この不思議な習性も平安の人々に神秘性を感じさせたのかもしれませんね。
桐の花、春の海
父の絵手紙の手習帳にあった桐の花の絵。
桐の花が好き、と言っていた記憶があるので桐で間違いないと思うのですが、添えた句が(文字で隠してしまっていますが)
山路ゆく 又あらわれし 春の海
です。桐の花が咲いている山の、ふと木の途切れたところから海を見下ろす、千葉の海岸沿いの風景を思い出す句ですが、詠まれているのは「春の海」なのです。
大暑の初候「きりはじめてはなをむすぶ」には季節が合わないのですが、実際に花が咲くのは5月ごろ、この時期につくのは「実」であることを知り納得しました。
桐の花の季語は「初夏」です。
天に向かって高い梢の先につく青紫色の桐の花。
私もこの花を見に、来年の初夏には海沿いの里山に登ってみたくなりました。
父のスケッチを作品集にまとめた話はこちらの記事にまとめています。よろしければお読みください。
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「桐始結花」の薬膳茶はトウモロコシのヒゲとハトムギを煮出した体スッキリ茶。余分な水分を追い出して夏のむくみを防止します。
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