七十二候・温風至<あつかぜいたる>

あつかぜいたる

亜熱帯から熱く湿った風が吹いてくる頃の七十二候。

西日本では、古くから南から吹く湿った風のことを「はえ」と呼びました。

梅雨の終わり頃に吹く強い南風を「荒南風(あらはえ)」といいます。梅雨前線に吹き込んで、強い雨を降らせる荒南風は、各地で恐ろしい集中豪雨災害を引き起こします。

梅雨の黒い雲の下を吹くのは「黒南風(くろはえ)」、梅雨明けの青い空に吹くのは「白南風(しろはえ)」。日本には2千以上の風の呼び名があるそうです。

今通り過ぎた風の名前を知っていたら、もっと毎日が楽しくなるかもしれません。

海水浴

千葉の海の近くで育った父は、「海水浴」ってなんだろうなあ、とよく言っていました。
公園や学校のグラウンドで遊ぶように、泳いだり砂浜で遊んだりはするけれど、日々の食卓の魚や貝も採ったりするし、あまりにも日常的で、わざわざ海に水浴びに行く感覚がよくわからないという意味もあったでしょう。
でも本当は、「海水浴」とは海で魚を採ったりしないセレブの遊び、それへの憧れの「なんだろうなあ」だったと思うのです。
実際、昭和の初め頃、千葉市の海岸沿いには避暑のための別荘が多くあり、海の気を浴びることが健康によい、として当時のセレブたちが訪れたと言います。

今や海水浴がセレブだけのものとは誰も思いませんが、この絵はそんな父の憧れの風景なのかな、と思うと、ちょっと眩しく見えてきます。

父のスケッチを作品集にまとめた話はこちらの記事にまとめています。よろしければお読みください。

青い鳥書房では、写真だけではなく絵画や書道などの作品、手芸や工芸などの立体作品も写真に撮って本にまとめる「かぞくの本」を作成しています。
私どもにまるごとお任せもあり、ご自分での作成のサポートもあり。
作る方のご希望に合わせて完成まで伴走しますのでご安心ください。

こちらは薬膳茶とおやつのシリーズ「熊猫薬膳茶房」のインスタグラムより。
「温風至」のおやつは七夕の五色の短冊になぞらえた白玉です。爽やかなレモンシロップで食べるあっさりおやつです。
これらの写真をまとめた本の記事はこちら。よろしければお読みください。

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