七十二候・蛙始鳴<かわずはじめてなく>

かわずはじめてなく

野原や田んぼでカエルが鳴き始める頃の七十二候。

日本は水辺や水田など蛙が生息する環境が多かったことから、常に身近な存在でした。
万葉集では山上憶良が「あまぐものむかぶすきはみ たにぐくのさわたるきはみ」と詠んだように、鳴き声が愛されて詩や歌に詠み込まれています。(たにぐく=多爾具久・谷蟇、ヒキガエルのこと)

「かはづ」は、もともと特に鳴き声が美しいカジカガエルのことを指しましたが、平安時代ごろからはカエル一般を指すようになったと言われています。

どこに移動しても、必ず生まれた場所に帰ってくることから「カエル」と名付けられたと言う説もあり、「カエルコール」はただのシャレではなかったようです。「お金が帰る」「無事帰る」と縁起のよいカエル。

外国でもよく親しまれ、文学や装飾デザインにもよく登場します。ノーベル賞の授賞式でのカエル跳びの儀式は、受賞者のさらなる飛躍を願って行われるのだそう。

萌黄色

春に萌え出る草の芽をあらわす色で、英語色名ではスプリンググリーンに相当します。
目がさめるようなアマガエルの色は、初夏の生命力を凝縮したような鮮やかな萌黄色。
東京都内を走る山手線の色も「萌黄色」と呼ばれます。
萌黄に、薄い藍色の浅葱色を組み合わせた初夏らしい配色です。

design note

#aacf53(萌黄 もえぎ)
#00a3af(浅葱色 あさぎいろ)
#a9eadf
#ffffff(白)

源流明朝SB
筑紫新聞明朝
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