啓蟄の色【若菜色】

二十四節気・啓蟄

今日から二十四節気は啓蟄です。

土の中で冬ごもりをしていた虫が、春の暖かさに誘われて地上に出てくる頃という意味で、「啓」には「開く」、「蟄」は「隠れる、閉じこもる」という意味があります。

冬を迎える前に松の幹に巻いた菰(こも)を外す「菰はずし」も今頃行われ、春の風物詩とされますね。
「菰はずし」は、古くから松の木の害虫「マツカレハ」の幼虫が、寒い冬に菰に潜りこむ習性を利用して、春になったら菰ごと燃やしてしまう害虫の駆除法でした。ところが、害虫のマツカレハよりも天敵のヤニサシガメの方を多く退治してしまっていたことがわかり、現在の菰巻き・菰はずしは行事としての目的なのだそうです。

また啓蟄には雨水に飾ったお雛様を片づけるといいと言われています。
一年に一度のお雛様ですからいつまでも飾っておきたい気持ちもありますが、活発に動き出す虫たちから守るためにも、早めのお片づけがいいようですね。

啓蟄の色、若菜色

土の中で冬を過ごした虫が、地上に顔を出したときに目に入るのは、こんな緑色でしょうか。
河津桜や梅の花のピンク色も目の前に広がるかもしれません。
虫にとっては食欲を刺激する色。
地上に這い出てくるご馳走を狙っている鳥に捕まえられる前に、虫たちにも春を感じてほしいと思ってしまいます。

design note

#d8e698(若菜色 わかないろ)
#f4b3c2(鴇色 ときいろ)
#705e63
#ffffff(白)

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