七十二候・雉始雊<きじはじめてなく>

きじはじめてなく

キジの雄が雌への求愛行動で鳴き始める頃の七十二候。

キジは夫婦愛や家族愛の象徴で、日本の国鳥でもある美しい鳥です。
体全体が青緑色で頭部には青い羽毛、褐色の斑点の長い尾羽と翼。目の周りは鮮やかな赤と派手な装いの雄に比べて、雌は褐色で目立たない姿をしています。枯れ草の中に作る巣の中で子育てをし、ヒナを連れて歩く様子が家族の和を象徴しているという理由から国鳥に選ばれたほど母性愛が強い鳥として知られています。

桃太郎ではキリッと鉢巻をしめた姿で活躍するキジ。時速30キロで走り喧嘩も強く、頼もしい家来だったに違いありません。
人間が感じることのできない微弱な揺れを感知できることから、地震を予知する能力があるとも言われます。

納戸色と黒緑、紫水晶と瑠璃色のいなせなキジ色

キジの身体の色のような緑色は「納戸色(なんどいろ)」と呼ばれる緑です。ピーコックグリーンといってもいい青緑色は江戸時代に何度も流行した人気の色で、男物の裏地などに好んで使われました。
「納戸色」という名前は「納戸の中のように暗いから」「納戸に仕舞っておいた藍が褪せた色だから」「入り口の幕の色」などいろいろな由来があります。

青緑をさし色に、深い緑の「黒緑」と淡い紫の「紫水晶」でキリッとしたキジの尾羽の配色です。

design note

#008899(納戸色 なんどいろ)
#1e50a2(瑠璃色 るりいろ)
#e7e7eb(紫水晶 むらさきすいしょう)
#333631(黒緑 くろみどり)

源流明朝SB
筑紫新聞明朝
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