七十二候・熊蟄穴<くまあなにこもる>

くまあなにこもる

山に住む熊が、穴にこもって冬眠を始める頃の七十二候。
食料の少ない冬を眠ってやり過ごすシステムは、動物の種類や体の大きさによって多種多様な形があるそうです。
0℃近くまで体温を下げ、エネルギーの消費をギリギリまで抑えるリスのような小型の哺乳類に比べると、熊の体温下降は4℃〜6℃と温度差が小さいことから、熊の場合は「冬眠」ではなく「冬ごもり」と言われてきました。
しかし、一度眠ったら春まで起きないこと、途中で何も食べず排泄もしないことから、活動期とはまったく異なる生理学的状態であることがわかってきて、熊の穴ごもり=冬眠ということになりそうです。

冬眠前の栄養補給

冬眠する巣穴の中に食料を貯めこみ、ときどき目覚めてこれを食べるタイプの冬眠とは違って、熊は秋にどんぐりなどを大量に食べて身体に脂肪を蓄積します。
妊娠しているお母さん熊は、何も食べない冬眠期間中に赤ちゃんを出産しお乳をあげて春を待つというのですから生物の生きる力の強さに改めて驚きます。

「熊」と言って「ハチミツ」を連想するのはいささかファンタジーですが、冬眠前には栄養を蓄え、無事に春を迎えてほしいと願ってしまいます。

③の地色は「蜂蜜色」と呼ばれる日本の伝統色です。
蜂蜜の色は花によって濃かったり薄かったりしますが、この色はアカシアやレンゲなど、くせのない蜂蜜の色に近く見えます。
この色の毛布にくるまったら、熊もよく眠れそうではありませんか?
①や②はソバや山椒の蜂蜜の色のようでもありますね。

design note

#665a42(蜂蜜色)
#332d21
#fddea5
#fca400

源流明朝SB
筑紫新聞明朝
lumios typewriter tape

読んでくれてありがとう