七十二候・蚯蚓出<みみずいずる>

みみずいずる

冬眠から覚めたみみずが土の上に這い出してくる頃の七十二候。

土の中に縦横無尽にトンネルを掘り、土を栄養たっぷりに変えてくれるみみずは、「自然の鍬」とも呼ばれる田畑の味方。英語では「earthworm」とも言われる地球の救世主です。
アリストテレスがつけた名前は「大地の腸」。

みみずが掘ったトンネルは空気や水の通り道となり、またみみずのフンは窒素やリンを豊富に含みます。
みみずの働きは、土を耕し肥料を施すこと、まさに自然の鍬なのですね。

百入茶 ももしおちゃ

みみずには目がありませんが、光を感じる器官があり暗がりに向かってトンネルを掘ります。
暗がりの中で感覚を研ぎ澄ませるみみずは、世界をどう感じ取るのでしょう。

日本の伝統の色には、染料の染めの回数による濃淡の差でそれぞれに名前がつけられます。
「百入茶(ももしおちゃ)」は藍を100回重ねた色。
「錆御納戸」「湊鼠」「千草鼠」、暗い青緑色のグラデーションで地中の世界をイメージしました。
男性の和装に好まれる渋い配色です。

design note

#1f3134(百入茶 ももしおちゃ)
#53727d(錆御納戸 さびおなんど)
#80989b(湊鼠 みなとねずみ)
#bed3ca(千草鼠 ちぐさねず)

源流明朝SB
筑紫新聞明朝
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