立冬の色【漆黒】

二十四節気・立冬

今日から二十四節気は立冬。
太陽の動きに基づく暦の上では冬の始まりです。

千葉では色とりどりの落ち葉が森の土を覆い、わんこの足音がカサカサと楽しい音を立てています。
うららかな秋という風情で、昼間は長袖がうっとおしく感じるほどあたたかい時もあるほどです。
そんな千葉でも、もう冬が始まってるな、と感じるのが夕暮れどき。
夕方4時半を過ぎると急に日が落ち、5時には真っ暗になってしまいます。
拾い食いがお得意の寅吉の散歩はなるべく明るいうちに済ませたいので、4時には支度を始めないといけません。ちょっと前まで6時スタートだった散歩が2時間も前倒しになり、午後の用事は気が急きます。
今年ももう終わり!の焦りと相まって落ち着かない時期でもありますが、「冬だから!」と割り切って夜をゆっくり過ごすように心がけたいと思います。



冬の色は「黒」

東洋医学や薬膳の考え方のもととなる五行論では、自然界に存在するものはすべて5つの属性「木」「火」「土」「金」「水」に分けられると考えます。
5つの季節(春夏秋冬に、日本では梅雨に当たる「長夏」が入ります)のうち、冬は「水」に属します。
「水」は冷たい性質で、高いところから低いところへ流れます。人間の臓器の中で一番低い位置にある「腎」は身体の水分をコントロールする役割を担うので「水」に属します。
その「腎」は水が凍り動物が冬眠する冬に、来たる春に身体がのびのびと動けるように、命の源と言われる「精」をたくわえる働きをします。

葉を落とした木々は眠っているように見えますが、土の下では根が養分を吸い上げ、たくわえ、冬芽を太らせて、開花の春をじっと待っています。
このように、冬は身体を休め、栄養を取って英気を養うとき!
長い夜を幸いに、美味しいものをゆっくり食べて、たくさん眠っていい時期ですよ〜、と季節が教えてくれてるんですね。

その冬の「五色」は、まさに黒。
漆黒に包まれる冬ですが、終わりじゃなくて芽吹きの前の休息の黒です。

漆黒は黒漆(くろうるし)を塗った漆器のように艶のある黒色のこと。黒の中で最もくらい色という意味があります。

design note

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