七十二候・芹乃栄<せりすなわちさかう>

せりすなわちさかう

「芹・せり」が盛んに繁る頃の七十二候。
春の七草として春を代表する野草・芹は、水辺に競りあうように勢いよく育ち、清々しい香りと歯ざわりが特徴です。
春の七草「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」を炊き込む「七草がゆ」は、人日の節句(1月7日)の朝に、一年の無病息災を願って食べるおかゆです。消化を助けるかぶ(すずな)大根(すずしろ)と一緒に、野草の芽吹きの力を丸ごと味わう七草がゆは、お正月に疲れた胃腸を優しく癒してくれますね。

芹といえばきりたんぽ鍋

寒い冬に心まであたたまる秋田の郷土料理のきりたんぽ鍋。この鍋には芹が欠かせません。
「他の野菜のように芹の根っこは切って捨てる」と秋田出身の友人に言ったら、「根っこが一番美味しいのに!」と怒られたことがあります。半信半疑で食べてみたら、間違いなく根っこが一番美味しい!
今までずいぶん損をしてきたなあ、と残念に思いました。

萌葱色と萌黄

萌葱色と萌黄の読みはそれぞれ「もえぎいろ」「もえぎ」と同じ音ですが、「萌葱」は萌え出たネギの芽の色の深い緑、「萌黄」は春に芽吹く野の草の黄緑色を指します。

冬至の「雪下出麦」で使った若苗色、「乃東生」で使った薄萌葱に比べると、ずっと力強い緑になってきています。

design note

#006e54(萌葱色)
#aacf53(萌黄)
#75b227
#ffffff(白)

源流明朝SB
筑紫新聞明朝
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