七十二候・閉塞成冬<そらさむくふゆとなる>

そらさむくふゆとなる

重い鉛色の空に天地の気を塞がれるという意味の七十二候。
いかにも閉塞感があり息が詰まってしまいそうな字面です。

ここ、南関東地方では、雪雲に天地が塞がれてしまうような日は多くありません。
反対に冬の朝は、あまりにも雲がなく空に蓋がない状態になってしまう放射冷却が起きやすくなります。
南北に長く、高い山脈を挟んで東西にも分かれた日本では、同じ冬でも住む場所によって持つイメージがまったく異なるのかもしれませんね。

寒いときにほしくなるもの

雪が降りつづける北国でも、乾いた北風に晒される平野でも、寒い冬には暖かい飲み物が一番。
心もほっと温まるミルクティーの色で配色しました。
ミルクティーの色は、日本の色「丁子茶」という色がぴったりです。
「丁子」とはスパイスの一つ「クローブ」のことで、丁子の汁で染めた色を「丁子色」と呼びます。丁子色より少し茶色味を帯びた色が丁子茶色。

丁子は身体を温める働きのある生薬で、寒さによる胃腸の不調の改善にも使われます。
クローブやシナモンなどのスパイスをミルクティーに加えたチャイを連想し、「閉塞成冬」の配色としてみました。
差し色にピンクペッパーのピンクを添えています。
甘さの中にピリッと刺激を感じるでしょうか。

バランスを変えてみても、どれも美味しそうな配色になりました。
①の地色は枯れ野原を表す「枯野色」、②のコーヒー色は「憲法色」と言います。江戸時代の剣術家の吉岡直綱(号は憲法)が広めたことから「憲法色」という名がついたそうですよ。

design note

#b4866b(丁子茶 ちょうじちゃ)
#d3cbc6(枯野色 かれのいろ)
#543f32(憲法色 けんぽういろ)
#c75565

源流明朝SB
筑紫新聞明朝
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