七十二候・橘始黄<たちばなはじめてきばむ>

たちばなはじめてきばむ

橘の実が黄色く色づく頃の七十二候。

「橘」は日本固有種のヤマトタチバナの他、古くは広く柑橘のことを指した言葉です。一年中ツヤツヤと輝く緑の葉を繁らせる橘は「永遠」の象徴であり文化勲章のデザインにも用いられています。

柑橘類の黄色〜オレンジ色は太陽を思わせる暖かい色。
親しみやすく心を元気にしてくれる色です。冬枯れの中でも太陽のように輝く柑橘の色は、沈みがちな気持ちにパーっと光を当ててくれます。
こたつの上のみかんに、知らず知らずのうちに元気をもらっているのかもしれません。

橘始黄そのままの色

「橘始黄」の配色は「柑子(こうじ)色」「蜜柑(みかん)色」「常盤(ときわ)色」を使いました。
「柑子色」は現在主流の温州みかんの先祖と言われる「こうじみかん」に由来する日本の色。「蜜柑色」は温州柑橘の色に近いですね。
柑橘の色をより一層鮮やかに見せているのが常緑の葉で、これは松や杉などの常緑樹の緑をさす「常盤(ときわ)色」で表現しています。
「常盤色」は長寿と繁栄を象徴し、江戸時代には縁起のいい色として好まれました。

同じ配色でバランスを変えてみました。
①と②はザ・みかんというバランスです。

ひと昔前、千葉にはこの配色の電車が走っていて、私は房総半島のみかん畑の色だとばかり思っていました。調べてみると1950年代に東海道沿線の「みかんと茶畑」をイメージして作られた車両で、「湘南色」というそうです。千葉だけではなく日本全国で活躍した車両だったのですね。
そのせいなのか、懐かしく感じる配色です。

design note

#fffac8(柑子色)
#007b43(蜜柑色)
#f6ad49
#f08300(常盤色)

源流明朝SB
筑紫新聞明朝
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