冬至の色【支子色(くちなしいろ)】

二十四節気・冬至

今日から二十四節気は冬至です。
冬至は1年間で太陽の位置が最も低くなる日です。
1年間で日中が最も短くなるので、古来より冬至を境に太陽が生まれ変わり、「陽」の気が増え始めると信じられてきました。

古くから中国では冬至を含む月を「子月」と呼びました。子は十二支の1番目であり旧から新へと切り替わることを意味するため、暦法上では冬至が1年の始まりとなります。中国では漢王朝の頃までは冬至を一年の始まりとしてきましたが、二十四節気が立春から始まるように、だんだんと始まりの日が変化してきました。

「一陽来復」(いちようらいふく)を知っていますか?
この言葉は、冬が終わって新しい春が来ることが転じて、悪いことが続いた後で幸運に向かうことを言います。冬至を境に、陰の気がきわまって陽の気にかえることから生まれた言葉です。
アジア以外でも世界の各地で、太陽の力が最も弱まった日を無事過ぎ去ったことを祝って、冬至祭が祝われます。暗い日々がこの日を境に明るい日々に転じていくことは、世界共通誰しもが願う気持ちなのですね。

冬至の色、支子色(くちなしいろ)

冬至に食べるカボチャの中身の色、お風呂に浮かべる柚子の色、鮮やかな黄色は太陽を思わせる温かな色です。
この温かな黄色の名前のクチナシは、初夏に芳醇な香りの白い花を咲かせる低木の常緑樹。
果実を乾燥させたものがクチナシの実で、煮汁が鮮やかな黄色になります。十二単の染料ともなったクチナシの煮汁ですが、今でもおせち料理の栗きんとんの色づけでお馴染みですね。

中医学では「山梔子(さんしし)」という名前の生薬として解熱や消炎効果のある方剤に配合されます。つぶした実をヒビやシモヤケに塗る地方もあるそうですよ。

長い夜を表す色は「羊羹色(ようかんいろ)」と呼ばれる暗い青緑系の色。ようかんに栗きんとん、カボチャなど甘い和菓子を連想する冬至の色です。

design note

#383c3c(羊羹色)
#fbca4d(支子色)
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#edffff

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