七十二候・土潤溽暑<つちうるおうてむしあつし>

つちうるおうてむしあつし

灼けるような暑さに、土から立ちのぼる湿気が加わり、じっとりとまとわりつくような暑さが続く頃の七十二候。

字面を見るだけで「うへぇ」と言ってしまいそうな七十二候ですね。

五行論では、夏は五臓の「心」に通じます。二千年以上前に書かれた中国医学の基礎とされる「黄帝大経」では「暑熱は心気を傷めるので、夏は穏やかな心情で過ごすべきである」と言われています。

自然界の活発な成長に合わせて、身体の陽気(陰の気に対する気)が旺盛に成長する夏。中医学の知恵にならって、穏やかに楽しく、身体を十分に休ませながらこの時期を過ごしたいものです。

サザエ

毎年、夏になると海沿いに住む父の友人からサザエやアワビが届きました。
今思うと贅沢な頂き物でしたが、当時はおおらかな夏の風物でした。
壺焼きやお刺身で楽しんだサザエの殻を小さな花壇の縁にぐるっと並べていた風景を、この時期になると思い出します。
ムッとした土の上に、逆さまに置かれた貝のゴツゴツした感じ、内側がギラギラと虹色に反射する感じ。まさに「土潤溽暑」のじとっとした肌の感触と一緒に脳内に再生される夏のサザエです。
描いた父は、そんなふうに思ったりしていたのかな。思ってもみなかったような気がします。

父のスケッチを作品集にまとめた話はこちらの記事にまとめています。よろしければお読みください。

青い鳥書房では、写真だけではなく絵画や書道などの作品、手芸や工芸などの立体作品も写真に撮って本にまとめる「かぞくの本」を作成しています。
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作る方のご希望に合わせて完成まで伴走しますのでご安心ください。

こちらは薬膳茶とおやつのシリーズ「熊猫薬膳茶房」のインスタグラムより。
「土潤溽暑」のおやつは西瓜の水キムチ。皮の白い部分ときゅうり、ゴーヤ、セロリなど熱を冷ます夏野菜を西瓜の果汁入りのつけ汁で漬けた韓国伝統の水キムチ。パリポリと美味しく、夏のお茶うけにぴったりです。
これらの写真をまとめた本の記事はこちらです。よろしければお読みください。

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