作品ギャラリー④捨てられなかった物も本でキレイに残る<父のスケッチブック>

生前の部屋にスケッチブックの山、捨てるに捨てられない悩み

父が亡くなって2年が経ち、ほったらかしになっていた実家の部屋もいよいよ片づけなくては、と決意しました。
そこで父が一日の大部分を過ごしていたと思うと、もうその部屋を使う人はいない、とわかっていてもなかなか手をつけられなかった部屋。
やれるだけのことはやったけど、捨てられないものが多すぎてどうしていいかわからない、と母が言うように、趣味の絵画の作品やスケッチブックが山のように残されていました。

たとえスケッチブックだとしても作品を捨てるのは気が進まないものです。
けれどいつまでも残しておくわけにはいかないので、写真を撮ってゴミ袋に入れました。
スケッチブックは20冊以上ありました。B3とかF8とか大きなサイズのものばかりで、手持ちのスキャナーではスキャンできません。スマホで1ページずつ写真に撮りました。

写真を撮ってはみたけど、どうする?

スケッチブックだけではなく、パネルに水貼りしたままの作品や絵手紙を練習したらしい書き初め用紙をつなげた巻物風やら色紙やら、撮った写真は300枚ほどです。
まあ、よく描いたものです。

いつか見たくなったときに見ればいい、と思っていた絵の写真ですが、見たくなるときは来ないかも、と思ったら少ししのびなく感じ、作品集に仕立てることにしました。

定年退職後に公民館の絵画教室で習い始めた父の作品を、これまできちんと見たことがなく、どうせ落書きのようなものだろう、とタカをくくっていたのですが、作品集の編集のためにパソコンの画面で見ると、これがなかなかどうして、味のあって良いのです。

国鉄職員だった父らしい時刻表と懐中時計のスケッチを表紙にあしらって、本文は既存のテンプレートでレイアウトして、120ページの本になりました。

片づけて!と怒るだけじゃなく、早く作ってあげればよかった

「ゴミの山」と言われていたスケッチブックも、作品集になると立派です。
すみからすみまでじっくりと眺めることができ、ああ、父はこんなことを考えていたんだなあ、と気持ちを汲む余裕も生まれました。

そばで絵を描く姿を見ていた母にはひとしおの想いが湧きあがったことだろうと思います。

昭和2年生まれで貧しい家に育った父には、画用紙も絵の具もぜいたく品でした。
物を捨てることができないのは当たり前です。
こんなに長生きするとも(93歳でした)、モノがあふれる時代になるとも、身の回りを整理して死んでいかないと子どもに文句を言われる時代になるとも思っていなかったでしょう。
物を増やしていくことが富の象徴とされる時代に家族を築いた父。

この作品集を作って、はじめてそんな風に父を思えるようになったような気がします。
生きているうちに作ってあげればよかったなあ、と反省もしています。

ご両親、お子さん、自分の作品もどうぞ本にまとめてください

絵画に限らず、手工芸の作品や収集品、お子さんの作品や学校の制服やカバンなど、家の中には捨てられないものがたくさんあります。
写真に撮って本にまとめれば、本棚にすっきりと収まっていつでも見ることができます。
本にしておけば、物はなくなってもちゃんとこの世に残るのです。

作品集は、本文は整然としたレイアウトで見やすく作るのがオススメです。
表紙や中扉をオリジナルでデザインして、その方らしさが際立つ本を作りましょう。
料金の目安は以下のページをご参照ください。
サービスと料金
この<父のスケッチブック>はかぞくの本・Bタイプに当てはまります。
機器の貸し出し等は別途料金が発生します。

↑オリジナルの中扉は作品集のアクセントになります。